神戸市西区の草むらで近くに住む穂坂修ちゃん(6)の遺体が見つかり、母親らきょうだい4人が殺人などの容疑で逮捕された事件で、神戸市こども家庭センター(児童相談所)が、事件を主導したとされる叔父の大地容疑者(32)の意向で修ちゃんの一時保護を見送っていたことが分かった。
23日に開かれた市会教育こども委員会で市が説明した。市によると、保育園が修ちゃんの右肩や尻にあざを発見し、西区役所職員が5月1日に母親の沙喜容疑者(34)や祖母らと自宅で面談。「育てにくさがある」などとして一時保護を希望した。
翌2日に修ちゃんを一時保護することになったが、当日になって祖母が「子どもが嫌がっている」と保留した。大型連休明けの9日、センター職員が自宅を訪ねると、大地容疑者と叔母の朝美容疑者(30)が応対し、大地容疑者は「一時保護は必要ない」と拒否。職員は修ちゃんや沙喜容疑者、祖母との面談を求めたが、「今は難しい。(修ちゃんは)落ち着いているから会わせられない」などと断られたという。
市は事件発覚後、祖母の意を受けて一時保護を見送ったと説明していたが、実際は、祖母とも沙喜容疑者とも面談できていなかった。センター側はその後も祖母に連絡を試みたが、電話はつながらなかった。18日に一時保護を巡る関与をいったん終え、西区役所に対応を委ねた。
センターの担当者は「一時保護の希望を聞いた面談に大地容疑者も同席しており、大地容疑者の意向が家族の総意と受け止めた。対応が適切だったか検証が必要と考えている」と話した。(金 旻革)