現場から撤去される、トラックから落下した鉄製のラック(右端)=4月11日午前10時15分、神戸市中央区港島9
現場から撤去される、トラックから落下した鉄製のラック(右端)=4月11日午前10時15分、神戸市中央区港島9

 神戸・ポートアイランドで4月、走行中の大型トラックから鉄製のラック(かご)が落ち、下敷きになった男性が意識不明の重体となった事故で、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われたトラック運転手の男(61)=神戸市=に対する初公判が12日、神戸地裁(入子光臣裁判官)であった。男は起訴内容を認め、検察側は禁錮2年を求刑し、即日結審した。

 起訴状などによると、男は4月11日午前、勤務する同市中央区の中古車販売会社からトラックを運転して車道に出た際、荷台のコンテナの上にラック(約900キロ)が置いてあるのに気付かず、電線に引っかけてラックを落下させ、歩いていた男性(60)に頭部外傷などのけがを負わせたとされる。

 検察側の冒頭陳述などによると、この会社では従業員らがコンテナ内に中古タイヤを搬入する際、作業スペース確保のため、タイヤを保管するラックをコンテナ上に載せることがあったという。検察側は「被告人も認識していた」とし「目視等で点検を行えばラックを発見することは可能だった」「点検を怠ったのはあまりに軽率」と指摘した。