幻覚作用のあるキノコ「マジックマッシュルーム」の菌床をスペインから密輸入したとして、兵庫県警薬物銃器対策課と神戸税関などは12日までに、麻薬取締法違反(輸入)の疑いで、神戸市中央区、自称工場作業員のスペイン国籍の男(39)=同違反の罪で起訴済み=を逮捕、送検し、捜査を終えた。
逮捕、送検容疑は昨年8月8日、国際郵便でスペインからマジックマッシュルームの菌糸体を含む菌床626・52グラムを輸入した疑い。調べに「違法だとは思っていなかった」と容疑を否認しているという。
神戸税関などによると、菌床はプラスチックの食料保存容器に入っており、本や医薬品、チーズ、香辛料と合わせて、段ボールにまとめられていた。
荷物はスペイン・マドリードから発送され、羽田空港に到着。横浜税関による輸入検査で発見された。荷物の送り主は不明だが、送り先は工場作業員の男が当時住んでいた神戸市長田区の住所だった。
同課は、男が菌床から育てたキノコを収穫し、薬物として自己使用する目的だったとみており、菌床から育てれば、複数回は収穫できる可能性があるという。
同課などは、先月10日に男を逮捕し、神戸地検が同違反罪で起訴した。神戸税関は今月12日、男を関税法違反の疑いでも地検に告発した。