姫路市の事件・事故
姫路市の事件・事故

 6月30日午後、兵庫県姫路市の会社員男性(45)が「福岡県警刑事をかたる男らに現金4530万円をだまし取られた」と県警姫路署に届け出た。

 同署によると、同14日午後2時40分ごろ、男性の携帯電話に通信会社の社員を名乗る男から「あなたの携帯から迷惑メールが発信されている。警察に連絡して」などと電話があった。指示された「緊急ダイヤル」にかけると、福岡県警捜査2課の刑事を名乗る男が電話口に出た。

 男と検事を自称する男らは、男性に「あなた名義の口座が不正利用されている」「特殊詐欺の容疑者として疑われている」などとかたり、「いつ逮捕状が出てもおかしくない」と迫った。男性は同17~30日、保釈金名目で計7回、現金4530万円を指定口座に振り込んだ。

 最後の送金は同30日、男性が消費者金融数社から借りた計760万円だった。男性が「もうお金がない」と告げると、男らは「消費者金融から借りて裁判所にお金がないことを証明して」と指示。さらに「近くの警察に行ったら話を聞いてくれる」と男性を誘導し、姫路署に向かわせた。

 男性は電話をつないだまま同署を訪れて署員に相談し、被害が発覚した。男性は電話で問いただすと、「全部うそですよ。そういうことです」などと一方的に言われ、通話は切れた。

 同署によると、福岡県警刑事をかたる男はやりとり用の電話番号を指定し、番号をネットで調べるよう男性に指示。男性が検索した番号は、実際の福岡県警の電話番号と類似していた。

 その後の連絡は主にビデオ電話で行われ、男は「逮捕の可能性があるので、まめに連絡してくるように」などと男性に強要し、精神的な支配下に置いていたとみられる。男の背後からは、無線でやりとりするような音が流れていたという。