大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティの開館３０周年を記念するコンサート「Ｄｒａｍａｔｉｃ　Ｃｉｔｙ“夢”」が９月１６～１８日、同シアターで開かれる。出演する元宝塚歌劇星組トップの麻路さきにとっては歌劇団在籍時代も舞台に立った思い出深い劇場。「ただ懐かしいあの歌をあの人が歌う、というのではなく、出演者全員力を合わせ、新しい作品として作り上げたい」と抱負を語る。

　１９９２年開場のドラマシティは宝塚大劇場と違って客席との距離が近い上、芝居もショーもできる。バウホールに近い感覚だが、「歌劇ではできないことも自由にやらせてもらった」と振り返る麻路。今回はトップ就任前の公演「ライト＆シャドウ」（９３年）やトップ就任後の「Ａｃｔｉｏｎ！」（９５年）の主題歌などを歌う予定。「Ａｃｔｉｏｎ！」は当時の相手役、トップ娘役の白城あやかと、見た目はそのまま、中身が男女入れ替わった演出場面が評判となった演目だ。

　３０年の間には阪神・淡路大震災も経験。「こんな時だからこそ」と上演した舞台に被災者も駆けつけてくれ、芸術の持つ力を実感した。コロナ禍の今もまた、「生の舞台のよさに触れてもらいたい」と願う。プライベートでは結婚、子育てを経験、充実した年月を過ごしている。

　コンサートには麻路をはじめ稔幸、和央ようか、北翔海莉、昨年、退団したばかりの愛月ひかるら計１１人の宝塚ＯＧが出演する。「出演メンバーの名前を見ただけでワクワクする」と麻路。「最上級生の立場なので、何でも言い合える雰囲気をつくるのが一番の私の役目かもしれません」。

　１万１５００円。９月９、１０日は東京建物Ｂｒｉｌｌｉａ　ＨＡＬＬでも開催。梅田芸術劇場ＴＥＬ０６・６３７７・３８８８

（片岡達美）