将棋の第34期女流王位戦5番勝負(神戸新聞社主催)第3局が25日、福岡県飯塚市の麻生大浦荘で指され、午後2時43分、後手番の里見香奈女流王位(31)=白玲、清麗、女流王座、倉敷藤花=が挑戦者の伊藤沙恵女流四段(29)を86手で破った。里見は対戦成績を2勝1敗とし、女流王位戦5連覇に王手をかけた。
持ち時間各4時間のうち残りは伊藤1時間35分、里見2時間21分。第4局は6月7日、徳島市のJRホテルクレメント徳島で指される。
伊藤の居飛車、里見の向かい飛車という対抗形。伊藤が9八香(29手目)と穴熊を目指したのに対し、里見は2四歩(30手目)と仕掛けて飛車交換を挑んだ。伊藤は2四同飛(33手目)と応じ、その後は大駒を取り合う激しい展開に。互いに飛車を敵陣に成り込んだが、攻勢をかけた里見が優位を拡大。伊藤の粘りをかわし、里見が持ち時間を2時間以上残して寄せ切った。
立会人の豊川孝弘七段(56)は「伊藤女流四段が飛車交換を避ければよかったのだが誤算があったのだろう。合駒に飛車を打たざるを得なかった4六飛打(45手目)以降は形勢が里見女流王位に傾いた。次も2人の熱い戦いを期待したい」と話した。
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【里見香奈女流王位の話】 2六歩(40手目)と、先手陣を乱して攻めることができ、まずまずかと思っていた。こちらの陣形がしっかりしているので、3五角(44手目)となり攻めに専念しやすい展開となった。終盤、形勢はいいのかなと思っていた。
【伊藤沙恵女流四段の話】 相手の2六飛(50手目)をうっかりし、重大な見落としになった。その前に何か違う順を指さなければいけない。早い時間から形勢を損ねる展開になり申し訳ない。この状態では厳しいので、次局は少しでも立て直したい。
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