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終局後、取材に応じる里見香奈女流五冠=15日夜、大阪市福島区、関西将棋会館
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終局後、取材に応じる里見香奈女流五冠=15日夜、大阪市福島区、関西将棋会館
感想戦に臨む里見香奈女流五冠(左)と阿久津主税八段=15日夜、大阪市福島区、関西将棋会館
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感想戦に臨む里見香奈女流五冠(左)と阿久津主税八段=15日夜、大阪市福島区、関西将棋会館

 女性で初めて将棋の八大タイトル本戦に進出した里見香奈女流五冠(30)=清麗、女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=が、第48期棋王戦本戦トーナメントの初戦で阿久津主税八段(40)に破れ、初の1勝を挙げることができなかった。里見は終局後、囲み取材に応じ、「踏み込むべきところでぎりぎりの勝負ができなかった」と悔しさをにじませた。(井原尚基)

 今期棋王戦予選で、里見は男性棋士5人に連勝して本戦入りした。15日に行われた対局は、振り駒で先手番となった里見がゴキゲン中飛車を、阿久津は居飛車を選び、力戦模様の対抗形になった。

 「互いに苦しんでいた」(阿久津)、「ちょっと焦り過ぎた」(里見)と振り返る長い中盤戦を経て阿久津が優位に立った後、終盤に入って里見が猛攻し、阿久津は「負けたと思う局面が何度もあった」。しかし阿久津は落ち着いた応手を重ね、最後は攻め合いを制して142手で里見が投了した。

 対局後、阿久津について「崩れない強さを感じた」という里見。「良くなったと思う局面があっただけに、悔しさが残る。どちらが勝つか分からないような難しい順を、もう少し指したかった」と、一局を振り返った。

 目指している将棋について尋ねられると「きれいな将棋を指すのは理想だが、人間ならではの泥仕合を楽しみたい」。尊敬する女性アスリートとして卓球の石川佳純選手(29)を挙げ「ひたむきな姿勢が見ていて勉強になる」と魅力を語った。

 「難解な局面で、辛抱するのか踏み込むのか、ぎりぎりの選択で誤ることがある。少しでも崩れないようにすることが課題」と現状を分析し「勉強しないことには強くなれないので、棋力向上のために日々研鑽(けんさん)したい」と誓った。

     ■     □

 里見香奈女流五冠は18日に行われた棋士編入試験第1局で徳田拳士四段(24)に敗れ、9月22日に行われる岡部怜央四段(23)との第2局に臨む。

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