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フランクのソナタに「有名な第4楽章のメロディーまでの音楽をどうつくるかを考えている」と語る幣隆太朗=長野県松本市
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フランクのソナタに「有名な第4楽章のメロディーまでの音楽をどうつくるかを考えている」と語る幣隆太朗=長野県松本市

 コントラバスでは珍しいソリストとして活躍する幣(へい)隆太朗がミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した「葵(あおい)トリオ」のピアニスト秋元孝介と弾くデュオ・リサイタルが28日、神戸市中央区の神戸新聞松方ホールで開かれる。フランクの「バイオリン・ソナタ」、ブラームスの「チェロ・ソナタ第1番」の大曲を一度に披露する渾身(こんしん)のプログラム。兵庫出身の2人が全国屈指の音響を誇るホールで挑む。(松本寿美子)

 幣は1981年生まれ、神戸市北区出身。県立西宮高校を卒業し、東京芸術大学在学中にドイツへ。名門の独・SWR交響楽団員。

 コントラバスはオーケストラで低音域を担い、その大きさから小回りが利きにくく、幣も「不器用な楽器」と表現する。だがその制約を覆すような演奏で、独奏楽器としての可能性をひたすらに追求してきた。

 昨年、満を持してプログラムに入れたのがフランクのソナタ。曲名通りバイオリン向けに書かれたが、他楽器でも演奏される名曲。幣は「ずっと憧れを抱いてきたが、コントラバスには超絶技巧で手を出せなかった。でも技術的、音楽的にも充実する今ならできる。白鳥が水面下で必死に水をかくように、苦労を感じさせずに美しく弾きたい」。

 ブラームスのソナタも本来はチェロ用。冒頭、楽器が胸の内の苦しみを独白するような、哀切なメロディーが美しい。約10年前から弾く幣は「奇跡のような旋律。昔はあの冒頭をただ印象的に弾こうとしていたが、今は曲の一部と捉え、曲全体で感動してもらえるよう、どう弾き始めるかを考えている」。

 相棒の秋元は、同じ県立西宮高校卒。幣より12歳下だが、秋元が高校生時代から音を重ね「ピアニストは彼しか考えられない」と全幅の信頼を寄せる。最強の2人で地元に名演を刻む。ほかにピアソラの「忘却」「アベ・マリア」、ヒンデミットの「コントラバス・ソナタ」。

 午後7時開演。一般3500円、ペア6千円。小中高校生は無料(要予約)。同ホールチケットオフィスTEL078・362・7191

チケットはhttps://kobe-np.stores.jp/?category_id=62ddfdcbd85874486e25bc4c

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