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宝塚、23年の幕開けは「うたかたの恋」 王子役に花組トップ・柚香光、男爵令嬢との悲恋描く

2022/12/24 13:11

 2023年、宝塚歌劇は花組の「うたかたの恋」で幕が開く。19世紀オーストリアの皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーの悲恋を描いた仏作家クロード・アネの小説「マイヤーリンク(うたかたの恋)」を1983年、柴田侑宏(ゆきひろ)が舞台化。宝塚大劇場では30年ぶりに上演する。花組トップスターの柚香光(ゆずかれい)が二枚目の王子さま、ルドルフを演じる。

 「今、この作品をやれるという驚き、そしてワクワクしている」と柚香。「人が人にひかれる過程の描き方、ロマンチックだがリアリティーのある人物、忘れられない名ぜりふの数々。柴田先生の台本が素晴らしい」。潤色・演出を手がける小柳奈穂子の「作品がシック」という柴田評にも共感する。

 柚香は2014年、「エリザベート」に登場するルドルフを演じた。「人生を運命づけられているという人物像は同じ」。ただ、白い軍服姿、生まれながらの気品といった定番のイメージを「そのまま投影すればいいというものではない。いかに役を作り上げていくか」と試行錯誤の日々という。

 後半のショーは香水がテーマの「ENCHANTEMENT(アンシャントマン)-華麗なる香水(パルファン)-」。さまざまな香りから想起される恋や夢を歌と踊りで表現する。

 大好きなミュージカルスター、フレッド・アステア風の帽子とスーツで踊る場面は「遊び心があって小粋なところが大好き」。一方、荒廃した地球から生まれる新たな生命を表現するシーンは「音楽が壮大。振りが難しく、運動量も多いが、いつまでも踊っていたくなる」と、今からこの場面の仕上がりが待ち遠しい様子だ。

 2022年は花組創立100周年の舞台を務めるなど充実した日々だった。「23年も舞台に人生をささげます」と力強い。

 来年1月1~30日、宝塚大劇場、2月18日~3月19日、東京宝塚劇場で公演。

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