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「笑いに来たらどうや~」とポーズを決める辻本茂雄さん=大阪市中央区(撮影・小林良多)
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「笑いに来たらどうや~」とポーズを決める辻本茂雄さん=大阪市中央区(撮影・小林良多)
3月になんばグランド花月で上演された舞台の様子(吉本新喜劇提供)
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3月になんばグランド花月で上演された舞台の様子(吉本新喜劇提供)

 茂造シリーズでおなじみの吉本新喜劇、辻本茂雄による新作「天使の茂造」が4月28日~5月8日、よしもと祇園花月(京都市東山区)で上演される。芸歴35年を迎える節目に「今こそ、お客さまと一体になって笑える舞台をつくりたい」と意気込んでいる。

 1986年に吉本興業のお笑い養成所「NSC」に入り、89年に吉本新喜劇に入団した。高校時代から競輪選手を目指していたが、両足に腫瘍が見つかり断念。ちょうど目にした広告にNSCの文字があり、興味を引かれた。

 コンビで活動するも解散。新喜劇に入ってからは客席全体を笑わす難しさを感じた。「入ったばかりの時は、花紀京師匠や岡八郎師匠が引退し、世代交代のまっただ中。若い者はどんなもんやという視線の中で戦ってきた。お客さまには本当に育ててもらった」と振り返る。

 99年に座長に就任し、もこもこした白髪に、老けたメークを施したハチャメチャなキャラクター「茂造じいさん」がお茶の間の人気者に。2019年に座長を勇退した後も、なんばグランド花月(NGK)やよしもと祇園花月の舞台に立ち、地方公演にも出演。3月には、NGKで35周年特別記念公演を4年ぶりの座長として上演した。

 新作となる「天使の茂造」は、辻本の書き下ろしで、4カ月間かけてつくられた。新型コロナウイルスで疲弊している世の中に笑いを届けようと、「今まで泣きの芝居にも力を入れてきたけど、今回は笑いを多く入れた」と話す。

 世相や流行を知るため、米ネットフリックスやディズニーが配信する映画やドラマ鑑賞、ニュースウオッチは欠かせない日課。足でかばんを強く蹴り飛ばす茂造お決まりのギャグを披露した後に、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のタイムリーな話題を入れると「客席がどかーんとわく」。劇中に日常のテイストを入れ、観客と一体感のある舞台を目指す。

 来年、60歳の還暦を迎える。「僕らは役者やから劇を追求しないといけない」と言い切る。若き日に花紀師匠から「お客さんはしっかり見ている。役になりきれ」と言われた。若手には化粧や衣装の指導もし、笑いも泣きの芝居もできるだけ現実に近づける。「笑いに貪欲な姿を後輩に見てもらい、花を開かせるきっかけをつくれば新喜劇も盛り上がっていけるはず」と語る。

 大人4500円、小学生2500円。午後7時開演。FANYチケットTEL0570・550・100

(津田和納)

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