Perfumeに関する書籍などを手に、あれこれ話し合う20~50代の記者たち=神戸新聞本社
Perfumeに関する書籍などを手に、あれこれ話し合う20~50代の記者たち=神戸新聞本社

 9月9日から兵庫県立美術館(神戸市中央区)で衣装展「Perfume COSTUME MUSEUM」が開かれる。しかも神戸新聞社主催で。当然、社内の自称ファンの胸はざわつき、落ち着かない。どうして、(メンバー3人の出身地である)広島でも、東京でもなく、神戸なんだろう。でもうれしい。こんなこと、最初で最後かもしれない。衣装展、何が何でも盛り立てたい。いっちょかみしたい-。わが町にPerfumeにまつわる話題はないか。開幕を前に、20~50代の記者5人が集まり、思いの丈と手持ちの情報を出し合った。まずは個人的な思い出から。

 ・P記者(20代男)

 ・E記者(30代女)

 ・R記者(40代女)

 ・F記者(40代女)

 ・U記者(50代男)

 F 去年くらいから、「Perfumeの衣装展があるらしい」というのを耳にして。事業局の話は普段、編集局にはあんまり聞こえてこないので、最初は中国新聞さんとか、在京の新聞社なら関わることこともあるかなと思ったけど、まさか神戸新聞でPerfumeが、1面広告に出てくる日がくるなんて! ざわつきました。これまで社内では限られた人にしかファンと伝えていなかったけど、これを機に晴れて名乗り出ました(笑)。

 E ちなみにいつからファンなんですか?

 F 10年くらい前にファンクラブに入りました。「Magic of Love(マジック・オブ・ラブ)」(2013年)が出たくらい? それまで音楽的には気になっていたけど、ちょっとメジャーすぎて、天邪鬼的になかなかすっといけなくて。でもライブ映像を見る機会があって、一気にはまっていった。「あれ? 自分はアイドルが好きなのかな?」と思ったけど、違う。ものすごい力強さ、格好良さ、奥深さに感動。Perfumeは総合芸術です。唯一無二の存在です!

 E 私は基本、何でも聞くし何でも楽しむしという中で、何かの時にFさんにライブに連れて行ってもらったんですよね。福井でしたっけ?

 F 「COSMIC EXPLORER(コズミック・エクスプローラー)」(16年)のツアー? あれが初めて? フェスとかに行ってない? 

 E あーそうかも。私は基本、お茶の間ファンなので、家で見ててカワイイ、すてきだなと思っていて、出演するフェスに誘ってもらって、ひたすらカワイイって感じでしたね。しゃべりもうまいし。あと、あの曲にはまりましたね。

 F あなたがよくカラオケで歌う「Dream Fighter(ドリーム・ファイター)」(08年)やな。

 E 天海祐希さんの出ている合唱のドラマで歌われていて、「ええ歌やな。誰の歌やろう」と思ったら、まさかのPerfumeで、意外な印象を受けましたね。歌詞も良くて。

     ■

 P 僕の出合いは今から14年前の2009年。今、28歳なので当時は中学3年生やってPerfumeの存在しか知らない時に、クラスの後ろの席の男の子が、えらいPerfumeにはまっていて(笑)。ちょうど「ワンルーム・ディスコ」(09年)くらいで、クラスで踊っていた。

 F 振りコピ(ダンスの振り付けをまねて踊ること)していた?

 P はい。で、こいつ何やってるんやろうと思って、なんか気になったからユーチューブで調べたら本物が出てきて。

 R ユーチューブが広がり始めた時と一致してるのかも。

 P ほかにもユーチューブに上がっているダンス動画で、狭いワンルームで仮面を付けた男3人がなりきって踊っているのとかを見て、「こんな熱心なファンがいるんや。何がええんやろ」と思って、いろいろ過去の曲にさかのぼって聞いてみた。僕、元々ロックが好きで、エレキギターを弾いていたんです。

 U ギター少年か。

 P そうそう、ギター少年。にわかですが。映像を見ながら「エレクトロ・ワールド」(06年)を聞いたら、意外にギターがジャキジャキ鳴っていて、その時の直観では、当時好きだったアジカン(アジアン・カンフー・ジェネレーション)っぽいメロディーやと思って。「テクノもやけど、ロックもいけるんや」って感心して。

 で、恥ずかしくて全然言えてなかったんですけど、僕ロック好きやったんで「大きくなったらミュージシャンになって、Perfumeと同じフェスのステージに立つ」と思って(笑)

 F あはは。そういうファンはあまたいるね。

 P あまたいる(笑)。で、ギター少年はなんとか同じステージに立てないかと考えて…当時、Perfumeは19歳くらいで大人の手前だから、単純に、長く持っても10年は難しいだろう、と思いながらギターをジャキジャキ練習して、挫折するという(笑)。

 何かしら一緒に仕事をしたい、同じ目線に立ちたいと思っていたんで。

 F けっこうエモいなあ(笑)。でもPerfumeは、それから10年以上活躍し続けているね。

 P 今回の衣装展があると聞いて、その時の記憶が少しよみがえりました。「これは」と思いました。

 F 同じ…ステージに…すり寄って…。

 P すり寄っていく…(笑)

 U 夢が大きいなあ。

 P 無謀な夢でしたけど。

 U 間違えてこの世界(新聞業界)に来てしまったなあ。

 P 何があったか分かりませんけど。

 U そう思うと地味やなあ、この世界(笑)

 P と同時に、僕の中でのPerfumeブームも大学生くらいで落ち着いてしまって。

 F 海外進出したくらいで。

 P そう、キリン(チューハイ)の「氷結」のCMくらいで。「GLITTER(グリッター)」(11年)とか。「すごい大きな存在になったな」と。

 F ちょっともう手が届かんな、と(笑)。

 P 世界は無理やな、と(笑)。

 F そうやって夢破れた少年たちはたくさんいると思う。

 P いますね。

 U この会社にほかにもいるかもなあ。

 P かもしれませんね。

<続く>

     ◇

 神戸新聞創刊125周年記念・特別展「Perfume COSTUME MUSSEUM(パフューム・コスチューム・ミュージアム)」は9月9日から11月26日、兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1)で開かれる。