第5局で初手を指す藤井聡太王位(右)。左は渡辺明九段=27日午前、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・笠原次郎)
第5局で初手を指す藤井聡太王位(右)。左は渡辺明九段=27日午前、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・笠原次郎)

 将棋の藤井聡太王位(22)=竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖=に渡辺明九段(40)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第5局が27日午前9時、神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で始まった。

 本局は、3勝1敗としている藤井が5連覇を果たして永世称号「永世王位」の資格を得るか、渡辺が勢いを取り戻すか、注目の一戦となる。立会人の福崎文吾九段(64)が定刻に対局開始を告げると、先手番の藤井は初手を2六歩と指した。

 後手番の渡辺は3四歩(2手目)と角道を開けた後、雁木の戦型に誘導。藤井は3八飛(21手目)と力をためた手を繰り出し、渡辺は考慮に入った。

 副立会人・船江恒平七段(37)は「本シリーズは渡辺九段が序盤戦術を周到に準備し、効果を生んできた。雁木でやりたい秘策があるのだろう。藤井王位の3八飛に対し、3筋の攻めを受けて立つか、自ら攻めていくか、午前中から目が離せない」と語った。

 対局は持ち時間各8時間の2日制。27日は午後6時に指し掛け、手番が封じる。2日目の28日は午前9時に再開し、同日夜までに決着する見通し。対局の模様は神戸新聞NEXTで速報している。

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