国吉康雄(中央)、近藤赤彦(右下)が牛を描いた色紙。2025年、兵庫県立美術館の調査で藤田嗣治の描画とサイン(左上)が認められた(兵庫県立美術館提供)
国吉康雄(中央)、近藤赤彦(右下)が牛を描いた色紙。2025年、兵庫県立美術館の調査で藤田嗣治の描画とサイン(左上)が認められた(兵庫県立美術館提供)

 フランスとアメリカでそれぞれ地位を築いた画家、藤田嗣治(1886~1968年)と国吉康雄(1889~1953年)が直接交流した資料の存在が兵庫県立美術館(神戸市中央区)の学芸員らの調査で明らかになった。2人が揮毫(きごう)した色紙(1930年)で、14日から同館で始まる特別展「藤田嗣治×国吉康雄 二人のパラレル・キャリア-百年目の再会」(神戸新聞社など主催)で初披露される。

 同年代を生きた藤田と国吉だが、これまで接点を示す資料はなく、不仲とされてきた。本展開催のため同館が資料を調査したところ、アメリカ人研究者が2023年に入手した国吉の色紙に藤田のサインがあることが分かった。