将棋の第66期王位戦7番勝負第6局で永瀬拓矢九段を破って6連覇を果たし、ポーズをとる藤井聡太王位=東京都渋谷区の将棋会館
将棋の第66期王位戦7番勝負第6局で永瀬拓矢九段を破って6連覇を果たし、ポーズをとる藤井聡太王位=東京都渋谷区の将棋会館

 将棋の藤井聡太王位(23)=竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将=に永瀬拓矢九段(33)が挑んだ「伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第6局は10日、東京都渋谷区の将棋会館で指し継がれ、午後7時34分、先手番の藤井が151手で勝利した。藤井は対戦成績4勝2敗で王位を防衛し、6連覇を達成した。

 藤井は七冠を堅持するとともに、タイトル獲得数を通算31期に伸ばし、歴代4位の渡辺明九段(41)に並んだ。1位は羽生善治九段(54)の99期、2位は故大山康晴十五世名人の80期、3位は中原誠十六世名人(78)の64期。

 藤井は今期、千日手指し直しとなった7月の開幕戦から3連勝。対する永瀬も連勝で2勝を返した。第6局は大激戦の末、最終盤に藤井が抜け出した。

【藤井聡太王位の話】 1日目は失敗しているかと感じていた。7七飛(113手目)から飛車交換はやむを得ない。5八桂(129手目)と受けたのは際どい局面。4五銀(143手目)から自玉を安全にでき、抜け出すことができた。本当に大変なシリーズだった。

【永瀬拓矢九段の話】 攻めが切れないように指していたが、8九歩成(94手目)、2八馬(96手目)となっては不本意。5八桂(129手目)の局面が負けなので、その前に考えなければいけなかった。シリーズは開幕3連敗で、楽しみが少ないと思っていた。

藤井聡太(ふじい・そうた)2002年、愛知県生まれ。杉本昌隆八段門下。16年、史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。20年、史上最年少の17歳11カ月で初タイトルの棋聖を獲得。同年、王位を奪取。23年、史上初の全八冠制覇を達成した。昨年、永世棋聖と永世王位の資格を獲得した。

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