鬼や河童といった妖怪研究を学問として確立した第一人者、国際日本文化研究センター名誉教授の小松和彦さん(78)=猪名川町=が2025年度の文化勲章を受章した。その道のりと、目に見えないものを探求し続ける真意を聞いた。
■以前は「笑われ、『本業に戻れ』と言われたこともある」
子どものころからお化けが好きだったという小松さんは東京都杉並区の生まれ。埼玉大学の学生時代、文化人類学のフィールドワークで埼玉・秩父地方の両神村(現・小鹿野町)に入り、住民から伝承の聞き取りを行った。人々の心の奥深さに魅了され、東京都立大学大学院に進んでからは、今も謎が多いといわれている高知県物部村(現香美市)をフィールドに選び、民間信仰「いざなぎ流」を調べ始める。

























