独創的な実績を上げた研究者を表彰する「神戸賞」が創設された。生命科学と理工学を融合させた「バイオ・メディカル・エンジニアリング(BME)」分野に特化した学術賞で、6月1日には神戸市内で第1回の授賞式がある。聞き慣れない分野だが、日本が世界をリードできる可能性を秘めるという。創設した中谷医工計測技術振興財団(東京)の家次恒代表理事(74)=シスメックス会長=に、賞への思いや神戸の将来像などを聞いた。
-なぜ神戸賞をつくったのか。
「日本を元気にしたい。日本が輝いていた時のように、もう一度経済を強くして世界から尊敬される存在になりたい、という思いが根底にある。得意技だったエレクトロニクス分野は、産業構造が変わって韓国や中国に負けた。関西は『パネルベイ』と呼ばれて先頭を走っていたのに、シャープが堺で(液晶)パネルづくりをやめるのは象徴的だ。日本の技術はどうなるんだという危機感がある」
-賞の対象者はBMEという分野に特化している。
「生命科学や理工学は世界で日本がまだ強い分野だ。山中(伸弥)先生のノーベル賞が代表的。それを受け継いで、どれだけ花を咲かせられるか。グローバル競争では、強みを磨いてとんがることが大切。今、先端技術は何でもかんでもアメリカだが、昔の日本は液晶などでとんがっていた。若い研究者や技術者が成果を出せる環境をつくり、もう一度日本を輝かせたい」
-若手を意識している。
























