インタビューに応える兵庫県農業法人協会の原智宏会長=丹波篠山市味間奥
インタビューに応える兵庫県農業法人協会の原智宏会長=丹波篠山市味間奥

 生産者の急速な減少が見込まれる中、今後もコメ需要を賄えるだけの生産力を保つには、どうしたらよいのか? 兵庫県内の大規模農家らでつくる県農業法人協会の原智宏会長(47)に聞いた。

 -離農によって、耕す人がいなくなった田んぼの受け皿として、大規模農家に期待がかかる。

 「私たち大規模農家は採算を取るため、いかに生産コストを引き下げるかに腐心しています。今以上に多くの農地を預かるには、作業効率を高めるインフラの整備が欠かせません」

 -どんな整備が必要なのか。

 「一つ当たりの田んぼを大きくする大区画化と、農業用水を送るパイプラインの導入です。大区画になると、大型機械が使えるようになるので作業時間が短くなる。ドローンなどを使う『スマート農業』にも取り組みやすくなります。パイプライン化すれば、水を給水栓から自由に引き込め、水管理の手間が省けます。溝にたまった泥のかき出しなどの作業もいらなくなります」

 -なぜ整備は進みにくいのか。

 「いずれの整備も1枚の田んぼだけではできません。地域一帯の農地所有者みんなの合意を取り付けるのが難しいのです」

 「兵庫県は、担い手への農地の集積率が28%(2024年度)と、全国の62%を下回っています。所有者が多いので合意に時間がかかり、反対意見が出ると行き詰まってしまう。合意が得られれば、行政から手厚い支援を受けられるのですが、そこに至るまでが簡単ではない。大規模農家などの担い手が農地を広げやすい環境を整えてもらいたい」

 -所有者にとって整備する利点は何か。

 「これから生産者が急速に減っても、良い田んぼには耕す人が出てきます。田んぼを受け継いだ子どもや孫たちも、借り手を探す手間が減るはずです」(聞き手・長尾亮太)

【はら・ともひろ】大学を卒業後、父親が立ち上げた農業法人アグリヘルシーファーム(丹波篠山市)に入り、父親が亡くなった2007年から社長を務める。地域の田んぼの耕作を積極的に引き受け、91ヘクタールでコメや黒豆を栽培する。同市出身。