兵庫県姫路市安富町長野の農事組合法人「安富ゆず組合」が今夏、法人化20年を記念して、兵庫県赤穂市中広のジェラート店「TETE(テテ)」とコラボした新商品「ゆずソルベ」(390円)を売り出した。果汁をたっぷり使い、濃密なユズの香りが広がる味わいとしっとりした食感で、特産品の知名度アップを狙う。(金 慶順)
安富地区では1991年、水稲の転作作物としてユズの栽培が始まった。95年には生産組合が発足し、組合員の家族らがシロップなどの加工品作りにも取り組んだ。生産部門と加工部門を合わせた「安富ゆず組合」は2005年に発足。07年には国道29号沿いに加工施設「安富ゆず工房」が完成した。
ゆず工房に隣接する直売所は、大きなユズのオブジェが目印。毎年のように新商品を開発し、現在はマーマレードやソース、ソフトクリーム、ゆず茶など約30種類を販売中だ。20周年記念企画では、JA兵庫西直売所「旬彩蔵 山崎」(兵庫県宍粟市山崎町)の仲介で、共に直売所に商品を出品している同工房とTETEのコラボが実現した。
TETEは赤穂市の丸尾牧場が経営。今回はミルクを混ぜたジェラートではなく、安富のユズを全面的に感じられるよう果汁をたっぷり使ったソルベに仕上げたという。ふたには両者のロゴと、JA兵庫西のキャラクター「にっしぃ」が描かれている。安富ゆず組合の中塚泉理事(65)は「ユズのよさをしっかり引き出してもらえた」と喜ぶ。
同組合では現在8ヘクタールで約50人がユズを生産する。生産者は70代以上が中心で高齢化が課題だが、近年は30~40代の若者グループも携わるという。中塚理事は「新商品などを通じて安富のユズを知ってもらい、今後も生産を続けたい」と話す。11月16日には20周年イベント「ゆずまつり」を企画している。
直売所は月曜定休。午前9時~午後5時。安富ゆず組合TEL0790・66・2801