市制70周年を祝って集結しただんじり=宝塚市東洋町
市制70周年を祝って集結しただんじり=宝塚市東洋町

 宝塚市制70周年を記念し、市内のだんじりが一堂に会する「宝塚だんじりパレード」が20日、市役所(東洋町)周辺で開かれた。初夏を思わせる日差しの下、15基が集結。軽快な太鼓や鐘の音を響かせながら進む勇壮な列が、観客を熱気に包んでいた。

 宝塚のだんじりは江戸時代に始まったとされ、龍や虎を刺しゅうした幕が特徴の「宝塚型」や、武者彫り物の「住吉型」で知られている。1954年4月に宝塚町と良元村が合併して同市が誕生した際にも曳行を実施。現上皇が天皇に即位した翌年や市制60周年でもパレードを行ってきた。

 この日、だんじりのある市内17地区のうち15地区が集まり、午後2時に市役所を出発。法被をまとった住民らが「よいやさー」「おーえおーえ」と声を張り上げて武庫川沿いを練り歩いた。だんじりは鬼退治の一場面を描いた精巧な彫刻や、中国の故事にちなんだきらびやかな幕で飾られており、スマートフォンで撮影する観客も多かった。山崎晴恵市長も法被姿で乗り込んで手を振り、その後の記念式典では「このパレードが、年間通じて行う70周年を祝う行事のスタートになる」とあいさつしていた。

 宝塚だんじり連合保存会の梶原勝也会長(61)は「だんじりを通して先人の思いや地域のつながりを感じてきた。市制80年でもパレードができるように若い世代に引きついでいきたい」と力を込めた。(池田大介)