室戸台風で犠牲になった外島保養院の入所者らに向け、堤防沿いに水を手向ける参列者=大阪市西淀川区中島2
室戸台風で犠牲になった外島保養院の入所者らに向け、堤防沿いに水を手向ける参列者=大阪市西淀川区中島2

 尼崎・大阪市境を流れる神崎川河口の海抜ゼロメートル地帯にあったハンセン病療養所「外島保養院」。住民の苛烈な反対で移転計画は白紙になり、1934(昭和9)年9月の室戸台風で壊滅。入所者や職員ら196人が犠牲になった。それから90年。大阪市西淀川区の跡地に立つ記念碑前で9月27日、慰霊祭が営まれ、誤った政策と差別が引き起こした惨事の記憶と教訓を次代に語り継ぐと誓った。(広畑千春)