プロ野球阪神タイガースの優勝が秒読みとなる中、神戸市長田区の西神戸センター街で5日、マジックナンバーの横断幕の掲示が始まった。阪神・淡路大震災後、球団と交流を続けてきた商店主らが企画。「震災から30年。被災したまちから球団への感謝と元気を発信したい」と、一部店舗で優勝セールを行う。
同センター街は、大震災で商店街の約半分が焼失した。震災前は東西にアーケードが延び、約100店が軒を連ねていたが、現在は15店が営業している。
阪神との縁は2009年に始まった。当時の真弓明信監督が1月17日に商店街を訪問。以降も震災の復興イベントに選手らが参加するなど交流を続けてきた。
横断幕の登場は前回優勝時の23年以来。今回は横3メートル、縦1メートルの大きさで、藤川球児監督の座右の銘「球進一歩」の文字を刻んだ。商店主や神戸信用金庫西神戸支店の職員、神戸発のアイドルユニット「コウベリーズ」のメンバーらが「六甲おろし」を歌いながら設置した。
同センター街親交会の須留原光浩会長(61)は「震災の年はオリックスが優勝し、みんなの希望になってくれた。今回の阪神の優勝が踏ん張り続けているまちを元気にしてもらえれば」と話した。(長沢伸一)