5月に92歳で死去した志村康(しむら・やすし)さんは、わが子に会えなかった。ハンセン病を発症したことを理由に、1996年まで存在した「らい予防法」により、妻は中絶を迫られたからだ。そんな法律は基本的人権を保障した憲法に反すると訴訟を起こし、法廷で心の底からこう訴えた。「裁判長、私の子どもを国から取り戻してください!」
5月に92歳で死去した志村康(しむら・やすし)さんは、わが子に会えなかった。ハンセン病を発症したことを理由に、1996年まで存在した「らい予防法」により、妻は中絶を迫られたからだ。そんな法律は基本的人権を保障した憲法に反すると訴訟を起こし、法廷で心の底からこう訴えた。「裁判長、私の子どもを国から取り戻してください!」