2033年に播磨国総社(兵庫県姫路市総社本町)で開かれる「三ツ山大祭」に向け、神門前に築かれる置山「小袖山」に飾る着物の陰干し作業が同総社で行われた。氏子らでつくる「一ツ山大祭・三ツ山大祭保存会」のメンバーら約30人が赤や黄、紫など色鮮やかな約200着をさおにつるしたり、境内に敷いたシートの上に並べたりした。
大祭は20年おきに開催され、「二色山」「五色山」など高さ18メートルの置山3基を造って神を迎える。このうち、「小袖山」は氏子らから寄贈された着物約850着で装飾される。
陰干しは大祭の日に使用する着物を虫やカビなどから守るため、同保存会が毎年秋に取り組んでいる。同保存会のメンバーのほか、同総社の職員らも参加し、着物の状態を確認しながら一着一着、丁寧に干していった。
同保存会の田中種男会長(97)=同市坂田町=は「今ではあまり着ることがなくなった貴重な着物を多くの人から提供してもらっている。大切に保管し、8年後の大祭を盛り上げたい」と話していた。(西尾和高)