国際宇宙ステーションと交信する子ども(右手前)ら=多可町役場
国際宇宙ステーションと交信する子ども(右手前)ら=多可町役場

 小中学生が国際宇宙ステーション(ISS)と交信するイベントが、兵庫県多可町役場で行われた。「多可町アマチュア無線クラブ」などが協力し、同町の13人が参加。ISS滞在中の油井亀美也飛行士に、「服の着替えやお風呂はどうしていますか?」などと質問した。(金井恒幸)

 地域の人材が協力し、子どもに有意義な休日を過ごしてもらう同町の事業「ホリデイチャレンジ」の一環。これまで木材を使った教育活動やプログラミングなどを行ってきた。宇宙との交信は昨年度から準備を進め、本年度初めて実現した。

 ISSは地上から約400キロ上空に建設された有人実験施設。サッカーコートほどの巨大な施設が、地球の周りを1周約90分というスピードで回っている。各国から複数の宇宙飛行士が滞在し、実験や研究、地球や天体の観測をしている。

 8月30日には小中生が宇宙について学びながら、無線機を使って宇宙と交信する練習を実施。本番の9月11日は町役場の屋上に大型アンテナが設置され、午後4時半ごろ集合した。

 交信前には、越川昌信教育長が「ISSで仕事をしている飛行士とアマチュア無線を通じて交信できることは貴重な経験で素晴らしく、一生の思い出になる」とあいさつ。午後6時20分過ぎから始まった交信では、各自が一つずつ質問し、10分程度の対話を行った。

 「宇宙食も食べ過ぎたら太るのか」「ごみをどうしているか」など、順番に質問を投げかけた。子どもたちの質問に毎回「素晴らしい質問です」などと褒めた油井さん。宇宙食については「おいしいので、食べ過ぎには気を付けたい」などと答えた。最後は小中学生が全員で「ありがとうございました」とお礼を述べた。

 杉原谷小5年の児童(10)は「ISSでスキップして跳び回るとどうなるか」と質問し、「重力がないので上に頭をぶつけると思う、という答えだった。僕も月に行って無重力の中で浮いてみたい」と話していた。