阪急阪神ホールディングス(HD、大阪市)は14日、2024年3月期連結決算を発表し、宝塚歌劇団(宝塚市)を中核とするステージ事業の売上高が前期比16億円減の322億円、本業のもうけを示す営業利益が21億円減の48億円となったことを明らかにした。歌劇団の俳優=当時(25)=が昨年9月に急死した問題などを受け、公演が中止となったことが響いた。
23年度前半は劇団員の新型コロナウイルス感染などで一部公演が中止となり、後半は俳優の急死に伴い多くの公演が中止となった。中止の数は宝塚大劇場と東京宝塚劇場で計209公演に上り、チケット収入やグッズ販売などが減少した。
また、俳優の急死を受けた再発防止策の一環として、今年1月から年間9興行を8興行に、週あたりの公演数を10回から9回に減らした。23年度の観劇人数は前期比4万4千人減の273万7千人(ライブ中継・配信を含む)。
25年3月期のステージ事業の売上高は前期比9億円増の331億円、営業利益が19億円減の29億円となる見通し。公演回数は前期より増えるため増収を見込むが、再発防止に向けた改革の費用を織り込んだ。
同HDの大塚順一執行役員(阪急電鉄専務)は「利益よりも、きちっと劇団員の体調管理を行い、安心して興行できるようにすることが第一だ」と強調した。
同HD全体の売上高は前期比3・0%増の9976億1100万円で、純利益は44・4%増の678億100万円だった。(大島光貴)