障害者を支援するNPO法人「ほっとぽっと」(神戸市長田区庄山町2)の事務員で、自身も難病を抱える松本絵里奈さん(32)がこのほど、同NPOの機関誌に発表し続けたコラムや4こま漫画などを1冊の本にまとめ出版した。松本さんは「一人でも多くの人に手にとってほしい」と期待を寄せる。(森下陽介)
同市兵庫区に生まれた松本さんは、小学生のころから絵を描き始めた。全身の筋力低下などが伴う「脊髄性筋萎縮症」を抱えながらも、趣味として続ける内に腕前はぐんぐんと上達。特別支援学校を卒業後、同NPOに通い始めると、得意の絵で機関誌「ほっとニュース」を彩るとともにコラムも投稿するように。今では「編集長」として、同誌の編集作業にも携わる。
出版した本「えりなとくさっちさん」は、3部構成でコラムと漫画、エッセー約75作品からなる。
コラムやエッセーでは、20歳のころに初めて経験した選挙や、応援しているアイドルグループなど、松本さんが日々経験したことや、感じた思いを率直に表現している。また、4こま漫画では、小学生のころに作ったキャラクター「くさっちさん」と松本さんとの日常のやりとりを描いた。
他にも、自作の絵をプリントしたポストカードや無料通信アプリ「LINE(ライン)」のスタンプも手掛ける松本さんは、「疲れているときにでもこの本を読んで、癒やされてほしい」とほほ笑んだ。
A5判約100ページで千円。同NPOで購入できる。
