プラスチックごみによる海洋汚染が問題となる中、クッキー生地やおからなどで作られた「食べられる容器」を集めた展示販売が11日、神戸マルイ(神戸市中央区三宮町1)1階のイベントスペースで始まった。14日のバレンタインデー向け商品も並び、買い物客らが珍しそうに眺めていた。14日まで。(末永陽子)
食べられる容器を製造・販売するテンセンス(大阪市)と神戸市が、プラスチックごみ削減への関心を高めてもらおうと初めて企画した。
同社は2016年、クッキー生地でできたエスプレッソ用カップ「エコプレッソ」を発売。自社のカフェでエスプレッソを注いで提供したところ、「かわいい」「器までおいしい」と会員制交流サイト(SNS)で話題になった。
20年には、尼崎信用金庫(兵庫県尼崎市)が環境改善に貢献する企業に贈る「あましんグリーンプレミアム」で「SDGs特別賞」を受賞。同信金の仲介で、神戸市の啓発事業に参画したという。
会場では、小麦粉不使用のチョコレート味、「サンキュー」といった文字入りなど多彩な「エコプレッソ」がずらり。ほかにも、焼きのりで作られたお弁当用おかずカップ、でんぷんなどを使った皿など、全国からそろえた食べられる容器を紹介している。
また、パネル展示では、2050年に海中のプラスチックごみの総重量が魚の総重量を超えるという予測などが図やイラストで解説されている。
エコプレッソを購入した神戸市内の女子大学生(20)は「かわいいし、エコにもつながる。どんな味がするか、家族とエスプレッソを入れて楽しみたい」と笑顔を見せた。
