昨今のお笑い界では、「第7世代」と呼ばれる若手芸人たちが人気を集めているが、神戸市立王子動物園(同市灘区)のスタッフ間でも「第7世代」のデビューに熱いまなざしが注がれている。一時は王子動物園の系譜が途絶えそうになったという、コアラの話だ。飼育員の工夫が功を奏し、近年は毎年のように繁殖に成功。現在はピークだった1997年の水準に近い8匹を飼育している。繁殖のバトンは今後、7代目の「ハナ」(メス1歳)に託される。(井上太郎)
グレーの毛の塊が、ガラス越しに複数見える。どれも木の幹と枝の間で体を丸めて動かない。睡眠時間は1日20時間。ユーカリの葉を味わう午前11時ごろを除くとほぼこんな調子だが、来場者の人気アンケートでは近年、パンダとゾウに次ぐ「不動の3位」らしい。
王子動物園に初めてコアラがやってきたのは1991年。繁殖は国内の管理計画に基づき、血統が偏らないよう他園と貸し借りして進めるが、97年に10匹いた同園のコアラは2012年末に3匹にまで減り、獣舎はがらがらになった。
原因は、赤ちゃんの早死に。コアラの妊娠期間は1カ月と短く、生まれた直後は体が小さい分、半年間は母親のおなかの袋で育つ。同園では出生こそするが、袋から出る前に転落死してしまう例が相次いでいた。
獣医師で飼育展示係長の谷口祥介さん(38)も、2014年の着任直後にその悲劇を経験。当時の飼育員たちは必死に対策を練り、落下時のショックを和らげるため、地面に敷かれた砂利の上にマットを置くことにした。
これで一命を取り留めたのが、同年6月生まれの「ウミ」(メス)だった。マットに落ちているのを飼育員が見つけ、急いで母「ウメ」に返したという。この年の暮れ、ウメのおなかがもぞもぞと動き、ウミが頻繁に顔を出すように。そして、袋からの卒業。実に17年ぶりの光景に一同が沸いた。
その後は順調に代を重ねてきた。ウメはほかにも3匹を、ウミも「エマ」と「オウカ」(いずれもメス、第6世代)を産み育てた。オウカの子が19年生まれのハナだ。
ユーカリの葉は高額で、同園では約130種いる動物全体のえさ代の4割を占める。費用面の負担により飼育から手を引く動物園もある中、2~3歳とされる性成熟が近づくハナは、国内の繁殖計画でも貴重な存在となっている。
人間界でも、M-1グランプリ覇者の「霜降り明星」を筆頭に、「第7世代」がバラエティー番組などで活躍している。オウカやエマの子、ウミの孫が増えれば、王子の第7世代が国内のコアラ界を席巻することになるが、「繁殖に個別の園の事情は考慮されないので、そこはまあ」と冷静な谷口さん。それでも「結果的に王子の血統がつながれば、やっぱりうれしいですよ」。すやすや眠るハナを、頼もしそうに見つめた。

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