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火災現場(奥)での救出の様子を振り返る花市拓海さん=東灘区本山北町3
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火災現場(奥)での救出の様子を振り返る花市拓海さん=東灘区本山北町3

 18日午後、神戸市東灘区本山北町3で寺兼住居が全焼し3人が負傷した火災で、逃げ遅れた住人を救出した会社員男性が神戸新聞社の取材に応じた。煙や炎の勢いが増す中「自分でも何をしているか分からなかったが、体が勝手に動いた」という。「今思うと無謀だったかもしれないけれど、人命を救うことができてよかった」と胸をなで下ろした。(井上太郎)

 同区の会社員花市(はないち)拓海さん(22)。火災が発生した午後4時半ごろ、寺のすぐ北にある田辺青年会のだんじり蔵で、鳴り物の練習に参加していた。「花市さん、あれ見て」。後輩の声で振り向くと、目の前の建物から煙がもくもくと上っていた。

 すぐに建物の玄関へ駆け付けると、高齢女性がパニックになっていた。「上にお父さんが」。急いで階段を上ると男性が倒れていた。顔や腕にやけどを負っているようで、震えている。必死で抱え上げて連れ出し、だんじり蔵まで運んだ。

 すると「まだ人がおる!」との叫び声。すぐに引き返した。しかし、黒い煙が視界を遮り、マスクと袖で二重に口を覆っても呼吸ができない。火勢も増していた。2、3歩進んだところで後を追ってきた先輩に「花市、下りてこい」と呼び戻された。外には別の男性が倒れており、先輩と協力して安全な場所まで避難させた。

 通報中の後輩にけが人を「2人か3人」と伝えると、「あんたもや」と返された。後頭部から血が流れ、セーターが赤く染まっているのに初めて気付いた。市内の病院に運ばれて手当てを受けた。

 東灘署によると、この火事で同寺の住職(42)が足の骨を折る重傷、住職の父親(72)が顔などにやけどを負い、母親(69)は煙を吸ったが、いずれも命に別条はなかった。

 花市さんは青年会の仲間や家族から人命救助をねぎらわれたが、同時に「二度とむちゃするなよ」と注意も受けた。

 この火事では、青年会のメンバーらが近隣に火事を知らせたり、初期消火に励んだり、お堂から貴重品を搬出したりするなど、対応に走り回った。「誰も命を失わずにすんだのは、みんなのおかげ」と振り返った。

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