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「人の死がもっと身近に、自分の問題として語られるべきでは」と話す溝渕雅幸監督=神戸新聞社
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「人の死がもっと身近に、自分の問題として語られるべきでは」と話す溝渕雅幸監督=神戸新聞社
映画「結びの島」の一場面
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映画「結びの島」の一場面

 住民の2人に1人が高齢者という山口県周防大島で地域医療に取り組む医師に密着したドキュメンタリー映画「結びの島」が、26日から神戸市中央区元町通4の元町映画館と、大阪市淀川区のシアターセブンで公開される。監督の溝渕雅幸さんは「そう遠くない将来、日本のあちこちで起こる事象を今、この島で見ることができた」という。(片岡達美)

 各地のホスピスや在宅終末期医療を追ってきた溝渕さんは本作で、クリニックと介護施設を営み、「ハグ(抱きしめる)とユーモアで心と体を癒やす」がモットーの岡原仁志医師に焦点を当てた。

 着ぐるみやナースのコスプレで患者に対面する。高齢女性には「今日は一段と美人だね」「かわいいね」と声を掛ける。男女を問わず別れ際にはハグ。在宅診療で訪れた島民の家でも同様だ。

 初対面の溝渕さんもハグされた。そうした行為を自己満足のパフォーマンスではと危惧していたのだが「高齢の患者にリラックスしてもらい、医師・患者の垣根をなくしたいという強い思いが伝わってきた。ただ、ハグさえなければねえ」と苦笑する。「真面目で不器用。島民もそのことを承知している」

 余命宣告された終末期の患者も診る。末期がんでいよいよ臨終の時を迎え、意識が混濁する女性に、岡原医師が自ら海で録音してきた波の音を聞かせる。「漁師町で育った彼女には波の音が懐かしく、安心するから。それまでの診療で境遇は把握している」

 誰にでも訪れる人生の終末と死。本人は、家族は、医療従事者は、その事実とどう向き合うのか。「この映画が、考えるきっかけになれば」と溝渕さんは話している。

 上映は両館とも7月9日まで。同3日、シアターセブンで日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団の柏木哲夫理事長らを迎えたミニフォーラムを開催するほか、ゲストを招いてのトークショーを両館とも複数日、予定している。

 元町映画館TEL078・366・2636▽シアターセブンTEL06・4862・7733

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