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新しい「さんきたアモーレ広場」のイメージ図(提供写真)
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新しい「さんきたアモーレ広場」のイメージ図(提供写真)
パフォーマンスイベントの計画に携わる逢坂由佳梨さん(提供写真)
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パフォーマンスイベントの計画に携わる逢坂由佳梨さん(提供写真)
広場をデザインした津川恵理さん(提供写真)
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広場をデザインした津川恵理さん(提供写真)

 「パイ山」「でこぼこ広場」の愛称で親しまれてきた、阪急神戸三宮駅東口の「さんきたアモーレ広場」(神戸市中央区加納町4)が再整備され、今秋リニューアルオープンする。10月上旬予定のお披露目に合わせ、デザインを担った建築家の津川恵理さん(32)=同市灘区出身=が、交流のあるダンサーらとパフォーマンスイベントを企画。目的は広場の多様な活用方法の発信で、現在イベントの運営費をクラウドファンディング(CF)で募っている。(井上太郎)

 以前の広場は約千平方メートルで、1985年、市営地下鉄三宮駅建設時に整備された。市によると、屋台や放置自転車などが置かれないよう、三つの小さなマウンドが設けられたという。

 隣の「神戸阪急ビル東館」の建て替えに伴い、2016年5月に閉鎖。リニューアル後は約200平方メートル拡張し、歩行者優先道路となった西側のサンキタ通りとともに、バリアフリー空間を構成する。いすにもテーブルにもなる8メートル×4メートルほどの楕円形の円盤を複数配置し、「角度を自由に操作したり夜間は照明を当てたりし、用途も景観も変化する」(津川さん)場所に生まれ変わる。

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 以前の広場は待ち合わせの名所だったが、道路の一部だったため、法律的に市民活動での利用は難しかった。新広場はコロナ収束後を念頭に、縮小した文化事業の盛り上げを図り、「アーティストのライブや団体らのマーケット、イベントで積極的に利用してもらうことを想定した」という。

 「実際どうやって使うか」をイメージしてもらうため、津川さんがオープニングイベントを計画。市などが主催する記念式典に合わせ、交流のあるコンテンポラリーダンサーの逢坂由佳梨さん(37)らと立ち上げた実行委員会のメンバーで、ダンスを軸としたパフォーマンスを披露する。

 逢坂さんは神戸市出身で、名門バレエ団を経て現在は米ニューヨークを拠点に活動中。今も神戸市が拠点のダンスパフォーマンスユニットを主宰し、昨年1月には阪神・淡路大震災から25年の節目に合わせたイベントを手掛けた。

 2人はニューヨークで知り合い、震災25年のイベントでも協働した。今回の参加動機について逢坂さんは「さまざまな個性を持ったダンサーを一つの作品の中で紹介する自分の活動と、多様な活用を目指す新しい広場のコンセプトが一致した」と話す。

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 7~10人程度の出演者はオーディションで選考しており、パフォーマーの出演料や音響制作費など約180万円を見込む運営費を、CFで募っている。寄付の返礼は、イベントにエキストラで出演(寄付額5万円)▽イベントの記録映像に名前を掲載(同1万円)▽広場のデザインにちなんだ記念品のポストカード(同5千円)-などがある。

 アモーレ広場のオープンは今春の予定だったが、コロナ禍で延びている。「開かれた場所で不特定多数の人が何かをやるというのは、ポストコロナ社会で特に重要」と津川さん。今後は神戸で活躍するデザイナーやアーティストなどが有志で「さんきた市民の会」(仮称)を結成し、広場オープン後、サンキタ通りを含む一帯で市民主導型のイベントを運営することなどを構想している。

 津川さんは「緊急事態宣言などで『飲食がだめ』となっても別の使い方ができる、いろんな需要に対応できる都市の強さを見せられる場になれば」と語る。

 CFの期間は31日まで。目標金額を上回った場合は、オープン後の活用イベントの企画、運営などに充てる。「アモーレ広場 クラウドファンディング」で検索。(井上太郎)

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