待ってました! さわやかな風に吹かれ、森の薫りを胸いっぱいに吸い込んで、現代美術を眺める。至福の時が巡ってきた。絶景が広がる兵庫県の六甲山上で、毎秋恒例の「六甲ミーツ・アート芸術散歩2021」が開催中だ。12回目の今年は、国内外の作家ら34組が参加。六甲山の歴史や文化をじっくり掘り下げて表現した作品などが輝く。(小林伸哉)
トンボが舞う六甲高山植物園に、不思議な感覚にさせるオブジェが登場した。本が巨大化したのか、人間の体が小さくなったのか…。穂波梅太郎さんの作品「僕の話」だ。
本は観客の手で開くことができる。「時間をかけて話すことは大切なんだ、そこに座ってすこし話をしませんか」。つづられた言葉はコロナ禍でのコミュニケーションを問う。挿絵のような立体作品は、伐採で荒れた後、植林で緑を再生した六甲山の歴史を表す。ほころんだ関係を築き直すメッセージを感じさせる。
植物園内を進むと、池のほとりに、白い袋などがぶら下がっていた。神戸市灘区で子育て中の写真家キリコさんが、手作りを迫られた幼稚園の「通園グッズ」を題材に作品化した。
理想の母親像を押しつけ、負担を強いる風潮が悩ましく、創作に結びついた。ブラックライトでグッズを照らすと、見えなかった母親らのつぶやきが、光る文字となって浮かぶ。「わたしのじかんはどこ」「ひとりにして」「むになりたい」…。秋の風に揺れながら、軽やかに訴えかける。
◇
「廃虚の女王」とも称される国登録有形文化財(建造物)の「旧摩耶観光ホテル」も題材に。摩耶山中で1930(昭和5)年に完成し、90年代に閉鎖されて朽ち果てた。東京の画家4人のグループ「パルナソスの池」が8~9月の約20日間、特別な許可を得て、滞在しながら制作した。
天井からの雨漏りをキャンバスに当てて絵を描いたほか、現地で撮った写真には、廃虚にすみ着く生き物を想像してドローイング。内部の丸い窓枠を模してステンドグラスも作った。
作品名は「山々を泳ぐ方舟」。昭和10年代に建てられた「旧パルナッソスの休憩小屋」で、絵など約60点とともに、ホテルから借りた電話機や照明、椅子、ガラス片なども飾っている。同グループの画家村山悟郎さん(37)は「タイムマシンに乗り、この部屋だけ昔に戻っているよう」。山の観光開発の歴史を凝縮した空間に仕上がった。
◇
広大な会場に独創的なアートが盛りだくさん。ぜひ、山上へ-。野外の作品にチョウが一休みして、バッタが跳びはねる。朝露がきらめき、木漏れ日が照らす。刻々と変わる自然が彩る。お気に入りを見つけ、深呼吸してみよう。
11月23日まで。一部施設を除き会期中無休。観賞パスポートは中学生以上2500円、4歳~小学生千円。紅葉と作品をライトアップする「ザ・ナイトミュージアム~夜の芸術散歩~」は10月は16日以降の土日、11月は会期末まで毎日、六甲高山植物園とROKKO森の音ミュージアムなどで、夜間延長営業して実施(観賞パスポートか、入場券が必要)。インフォメーションTEL078・891・0048

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