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綿貫宏介さんがデザインした商品パッケージなどが並ぶ=神戸市灘区青谷町2、ギャラリー夢創館
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綿貫宏介さんがデザインした商品パッケージなどが並ぶ=神戸市灘区青谷町2、ギャラリー夢創館
大切にとっておきたくなるデザインの缶や箱などが集まった=神戸市灘区青谷町2、ギャラリー夢創館
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大切にとっておきたくなるデザインの缶や箱などが集まった=神戸市灘区青谷町2、ギャラリー夢創館

 兵庫県内などの数々のブランド意匠を手掛け、昨年1月に94歳で亡くなった綿貫宏介(ひろすけ)さんを追悼する展覧会が、神戸市灘区青谷町2のギャラリー夢創館で開かれている。敬慕する人々が持ち寄った作品約200点がそろう。(小林伸哉)

 綿貫さんは1926年、熊本県生まれ。神戸市東灘区に移り、旧制灘中学校時代に油絵を始めた。戦後は関西学院大学で外交史を学び、56年からポルトガルに留学。60年代後半にかけ、世界各地を巡って絵やポスターを創作した。

 漢詩や禅、老荘思想にも関心が深く、漢字の成り立ちを意識して創作。古代の書体「金文」を基調に、独自の鮮やかな色彩感覚を発揮した。簡潔で洗練された線に、温かさや遊び心がにじみ出ている。

 神戸発祥の老舗菓子店「本高砂屋」、日本酒の「小鼓」で知られる丹波市の西山酒造場、神戸市北区・有馬温泉の「陶泉御所坊」など、手掛けたブランドデザインは数多い。商品を彩るロゴやイラストだけでなく、瓶の形や菓子の風味、ネーミングにもアイデアを出した。

 「目に入るものすべてを作りたいんや」。若き日の綿貫さんはこう言ったという。「捨てられるような物は作らん」とも。その証拠に、持ち寄られた展示作品には、知人らが大事に保管していた包装紙や箱、瓶なども目立つ。さらに油絵やガラス、陶器、着物と、幅広いジャンルの品々が並ぶ。

 夢創館館主の中西康子さん(78)は「綿貫先生は、のびやかで自由な心の持ち主だった。『愛した物を使い続ける』ために施したデザインと思想に、今こそ注目してほしい」と語る。

 28日まで。午前11時~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。

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