桜が丘中学校（神戸市西区桜が丘東町２）の同窓生が、新型コロナウイルスの影響で行事などを制限された２０２０、２１、２２年の卒業生の門出を祝い、約１０分間のオリジナルアニメを作った。

　同校校区では、少子高齢化が深刻化。同校の生徒数も、多い時期は１学年約３００人以上が在籍したが、近年は当時の３割ほどに減っている。

　アニメは、地元に若者が根付いたり、いったん出ても戻ってきたりして地元の活性化につながるよう、同校２期卒業生の高橋浩治さん（５３）が中心になって発案。２年前、約４０時間かけて完成したが、その後、コロナの影響で卒業生と接する同窓会入会式が中止になり、アニメを披露して贈る機会がなかった。

　作品には、人気アニメ「秘密結社鷹の爪」の作者、ＦＲＯＧＭＡＮ（フロッグマン）さんが出演し、「コロナでいろんなものが制限され、当たり前を見直しているのが今。皆さんの時代に皆さんの新しい普通を見いだして」とコロナ禍の学校生活を思いやり、卒業生を応援。同校の図書室や校門前の写真を背景に「－鷹の爪」の派生作品のキャラクターも登場し、同校卒業生のためだけのオリジナルソングを歌った。

　３月上旬に同校で披露された作品を見た３年の男子生徒（１５）は「うれしかった。これから卒業生として母校の力になりたい」と話した。（斎藤　誉）