神戸

  • 印刷
東日本語教室で代表を務める延原臣二さん=神戸市東灘区深江南町4
拡大
東日本語教室で代表を務める延原臣二さん=神戸市東灘区深江南町4

 食品工場が立ち並ぶ神戸市東灘区の深江地区。雑居ビル2階にひっそりとした構えの「東灘日本語教室」(同区深江南町4)がある。

 学びにやってくるのは、工場に勤務して、近くに住んでいる日系のブラジル人やペルー人などだ。

 この教室で約15年にわたり代表を務める。「ただ日本語を学ぶだけではなく、悩みを相談できる居場所にしたいんです」。思いはずっと変わらない。

 大学ではスペイン語を専攻。NHKに記者として長年勤務し、定年退職後、同教室の支援者に応募した。

 だが、いざ教えてみると想像以上に難しかった。「母国で教育を受ける機会がないまま大人になった人も多い」。「勉強の習慣がなく、日本語もなかなか身に付かない」。背景は複雑だ。

 あるとき「教え込もうとするとうまくいかない」と気付いた。テキストや教え方を変えるなど試行錯誤を重ねた。教えることよりも、寄り添う姿勢を重視し、「できるだけ長く通ってもらう」ことを目標にした。

 始めて2~3年で2代目代表になってからも居場所づくりにまい進した。積極的に悩み相談に乗り、外国人同士や地域住民とのゲームや歌などの交流イベントも企画する。

 近年は、新型コロナウイルス禍で技能実習生らが入国できず、教室に通う人は減る一方。それでもオンラインなどで学習機会は確保している。

 「もういい年なので後継者を探さないと」とほほ笑みながら「春からは日本文化を楽しめる講座も考えている。新しいことをもっとしつこく提案したい」と本心を語る。熱意は冷めない。(綱嶋葉名)

【2022年3月13日掲載】

神戸
神戸の最新
もっと見る
 

天気(9月7日)

  • 34℃
  • 27℃
  • 20%

  • 36℃
  • 24℃
  • 40%

  • 35℃
  • 26℃
  • 20%

  • 35℃
  • 25℃
  • 30%

お知らせ