砥石(といし)に向かって45度の角度で刃を寝かせ、人さし指と中指で押さえて奥に滑らせる。同じ作業を何百回も繰り返し、最後に研磨剤を染み込ませた絹で仕上げる。明かりに照らされた刃先は鏡のように光を反射する。「この作業を日々徹底せんかったら、この子らは真価を発揮でけへん」。
顔そりを昔ながらの「日本かみそり」で、約50年続ける「ヘアーサロンおがた」(神戸市東灘区魚崎南町4)。店内には、鏡を挟んで向かい合うカット台を囲むように棚があり、整頓して並べられたはさみやかみそりが銀色に光を放つ。驚くのはその数。くしだけで約40本あり、はさみは約100本、日本かみそりはさらにその4倍近くある。
「放っておいたらすぐにさびてしまう。朝晩の手入れは絶対やねん」とわが子を見るようにかみそりを見詰める。
長崎県佐世保市生まれ。19歳の時に灘区でパーマ店を営む叔母を頼って神戸に移り、東灘区の理容室に弟子入り。27歳で自分の店を開き、59歳で優れた技能を持つ「神戸マイスター」に認定された。
昭和40年代を境に、手入れ不要の替え刃式かみそりが台頭。それでも、師匠が口酸っぱく説いた「仕事道具は宝。どれだけ愛着を持って扱うかで職人の力量も変わる」との言葉を信じ、スタイルは曲げなかった。「緒方さんの顔そりは痛くない。気持ち良い」。常連の言葉が日々の活力だ。
今春、若手に日本かみそりの手入れを教える「緒方塾」を始めた。砥石の手入れから、刃物の研ぎ方まであらゆる知識を後世に伝える。「昔の職人は『見て覚えろ』やったけど、僕は『何でも聞いて』。託せるものは全て後進に託したいね」。(末吉佳希)
【2018年10月7日掲載】

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