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イランの伝統楽器「サントゥール」を演奏する谷正人さん=神戸市灘区
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イランの伝統楽器「サントゥール」を演奏する谷正人さん=神戸市灘区

 エキゾチックな音楽に酔いしれる夕べはいかが-。イランの伝統楽器、サントゥールのコンサートが24、25日に神戸学院大学で開かれる。サントゥールは台形の木箱に72本の金属の弦を張った打弦楽器で、奏者は日本に数人しかいない。自ら奏者としてコンサートを企画した神戸大大学院准教授の谷正人さん(51)に魅力や奥深さを聞いた。(津田和納)

 谷さんは大阪府松原市出身。民族音楽学を学ぼうと進んだ大阪音楽大で世界中のさまざまな楽器を知る中で、サントゥールに出合った。「たまたま図書館で聞いたレコードの音色に衝撃が走った」と振り返る。

 今のようにインターネットで簡単に情報を集められない時代。レコードで演奏していた著名な奏者を探し出し、レッスンを受けようと現地に飛んだ。

 ペルシャ語は話せなかったが、「イラン人の親切さや懐の深さに助けられた」と谷さん。演奏者の弟子からレッスンを受けたが、楽譜はなく、演奏方法を見よう見まねで習得する。決まった古典の旋律を奏でていると思えば、「さあ即興で作曲してみて」とオリジナリティーを求められた。

 「即興部分を黙って聞いていた時もあれば、『違う』と止められたことも。いまだに何が正解、不正解か分からない」。でも、この謎が研究心を駆り立てた。

 現地の芸術大学などで学んだ後、大阪大大学院の博士課程を修了。現在は神戸大大学院で民族音楽学を教えている。

 あるとき、学生に「即興と自己表現」という演奏の課題を出した。譜面は与えず、メモも禁止にした。谷さんは「混乱する学生が多かったが、譜面通りに弾くという当たり前の概念を壊してほしかった」と話す。

 新型コロナウイルス禍ではこれまで、学生らとオンラインコンサートを開催。今回は「久しぶりの生演奏になる」といい、「ペルシャ古典詩の解説もある。現地にいる気分になって演奏を味わい、異国情緒を楽しんでほしい」と話す。

 コンサートは、24日午後6時=神戸市中央区港島1の神戸学院大ポートアイランド第2キャンパス音楽室▽25日午後3時=同市西区伊川谷町の同大有瀬キャンパスメモリアルホールで。同大の宇野文夫教授が解説を務める。

 無料。定員は、24日が30人、25日は350人。6日までにウェブなどで申し込む。同大学グリーンフェスティバル係TEL078・974・6105

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