「小学生の息子がゲーム課金に10万円以上を使ってしまった」。新型コロナウイルス禍で自宅で過ごす時間が長くなる中、神戸市消費生活センターで子どものオンラインゲームに関する相談が増えている。高額な「課金」を巡るトラブルが多く、請求額が100万円を超える例もある。同センターは保護者がクレジットカードの管理を強化するなどの対策を呼びかけている。(名倉あかり)
同センターによると、2021年度、子どものオンラインゲームに関連する保護者らからの相談が90件あった。子どもの年代は18歳以下が47件と半数以上で、うち12歳以下が28件を占めた。
多くは、保護者ら周囲の大人が支払いを請求されて子どもがゲームに多額の課金をしたことを知り、「契約を取り消せないか」と相談してくるケースで、17年度から年々増加している。
スマートフォンアプリなどのオンラインゲームは、課金することでゲームを有利に進めるアイテムを入手できたり、珍しいアイテムを得るためにくじを引く「ガチャ」を楽しめたりする。年齢が低いほど、お金を使っている感覚がなかったり金銭的な価値を分かっていなかったりするため注意が必要になる。
21年度の47件のうち40件は請求額が判明しており、計約1200万円に上る。最高額は120万円で、男子中学生が勝手に母親のクレジットカードを繰り返し使い、ゲームに課金した-との内容だった。
また、課金分はクレジットカードで支払ったり、携帯電話料金とまとめて引き落とされたりすることが多い。いずれも月1回程度の請求になるため、保護者の発見が遅れ、気づいた時は高額になっているという。
同センターの担当者は「課金をメールで知らせるように設定すれば、早い段階で気づける」と助言する。
一方、子どもが親のスマホやアカウントを使って課金した場合、当事者が子どもだと証明するのは難しく、未成年者契約の取り消しが認められない例もある。同センターは、子どもが自由に課金できないよう、スマホ決済のパスワードを知られないようにするなどの対策を求める。
相談は消費者ホットラインTEL188(いやや)へ。
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