ブライダル業界を志望する学生らが結婚式を企画・運営する「キャンパスウエディング」がこのほど、神戸市西区の流通科学大で開かれた。レストランを披露宴会場とし、設営から式の進行、司会、写真撮影、音響まですべてを学生が担当。親族やオープンキャンパスで訪れた親子約１００人が出席し、新型コロナウイルス禍で挙式ができなかった夫婦の晴れの日を祝った。（貝原加奈）

　多彩な業界の人材育成を目指す同大のプログラムの一環で、２０１９年から開く。今回は人間社会学部観光学科の学生２７人が挙式を企画。新郎新婦の要望を聞き取り、約４カ月かけて準備してきた。

　式は、２人の生い立ちを振り返る動画でスタート。吹奏楽の演奏が流れる中、新郎新婦が入場すると、会場から温かな拍手が湧いた。手作りのサンドアートや手紙交換といった演出もあり、「最高の思い出になるように」と、学生たちはそれぞれの担当を手際よくこなしていた。

　新郎の松原康貴さん（３１）＝神戸市垂水区＝は同大の卒業生。「母校の力になりたい」と応募した。妻ほなみさん（２８）とは２０２０年に結婚。だが２人とも医療従事者だったこともあり、新型コロナ禍で挙式ができなかった。

　式には、３月に生まれた長男（５カ月）も出席した。「３人でいい思い出になった。式の間ずっと楽しかった」と２人。「ショートヘアでの花嫁姿が夢だった」というほなみさんのメークも学生が手がけた。

　カメラマンとオープニング動画を担当した同大３年の岡田雅さん（２０）は、「新郎新婦やゲストの笑顔がたくさん見られた。頑張ってよかった」と満足そうだった。