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パン店らしからぬ外観で、ホストのようなオリジナルキャラクターの看板が目立つ=神戸市北区山田町、イケメン大集合神戸北店
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パン店らしからぬ外観で、ホストのようなオリジナルキャラクターの看板が目立つ=神戸市北区山田町、イケメン大集合神戸北店
焼きたてのレーズンパンや多彩な食パンが楽しめる=神戸市北区山田町、イケメン大集合神戸北店
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焼きたてのレーズンパンや多彩な食パンが楽しめる=神戸市北区山田町、イケメン大集合神戸北店

 「イケメン大集合」。白地にピンクの派手な文字が目にとまる。店の中に入ると、甘い香りが立ちこめる食パン専門店だった。「イケメン大集合神戸北店」(神戸市北区山田町)。奇抜な外観の背景には、店主の「地域に愛される店」の思いがこもっている。(斎藤 誉)

店名にこめた思い

 「イケメン大集合」は、2021年の小野本店の開店が最初。神戸北店は2店目となる。社長の荒井洋介さん(47)は兵庫県小野市で鶏肉料理が専門の飲食店を経営していたが、新型コロナウイルス禍の外食控えで客足が遠のいた。売り上げ減少を補おうと、高級食パンに目をつけた。

 業界では、おいしいパンを「かわいいパン」と呼ぶ場合がある。それをヒントにキャッチーな店名を考え、「イケメン大集合」にたどりついた。イケメンに「きれいなパン」の意味を込めたのだ。

 順調に客足を伸ばし、2店目を計画。荒井さんは幼少期を北区で過ごし、お気に入りのパン店があったが、今は閉店している。「地元で永く愛される地域のパン屋さんを出したい」との思いから、北区に2号店を出した。

奇抜な外観

 食品店の良さは、「まず食べてもらわないと伝わらない」と荒井さん。奇抜な外観にすることで、まずは興味を持ってもらえるのではと考えた。

 立て看板でひときわ目立つのは、ピンク色の髪に金色の上着を着た男性。一見、繁華街のホストクラブと見間違えそうだが、よく見ると、目元がそろばんで隠れている。「イケメン-」が小野発祥であることから、地元名産のそろばんをサングラス風にして目元にあしらった。

味に自信

 神戸北店の棚には、焼きたてのパンが次々と並び、芳醇(ほうじゅん)なバターの香りが鼻をくすぐる。優しい甘みが特徴の食パン「まごころ」と、ほんのり甘い生地と大粒の甘酸っぱいレーズンでアクセントをきかせたレーズンパン「たからぶね」の2種類が同店のイチオシ。曜日によって、あんを練り込んだ「まめやか」などアレンジ商品も登場する。

 月に2~3度利用するという女性(60)=北区=は、たからぶねを購入。「他では味わえないクリーミーな生地が好きです」と笑みを浮かべた。

 荒井さんはフードロス削減にも取り組む。市内の子ども食堂や、児童養護施設に売れ残ったパンを不定期で届ける。他にも、神戸で開かれる関西学生テニスサークルの大会でスポンサーを務め、パンを学生たちに振る舞う。

 地域に根差したパン店へ。派手な外観を看板に、荒井さんの奮闘が続く。

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