抗がん剤治療による脱毛や医療用ウィッグ（かつら）について学ぶ講座「アピアランスケアセミナー」が３１日、神戸市中央区元町通２のレンタルスペースを会場に始まる。全３回で、脱毛のメカニズムや県の補助制度の解説に加え、理美容師向けにウィッグの取り扱いも説明する。（中川　恵）

　アピアランスケア（外見ケア）を通じ、がん患者らが直面する問題を共に考える「全国病院ヘアサロン協会」が初めて開く。

　近年、がん治療を受けながら日常生活を送る人が増え、外見の変化を補完する重要性が指摘されている。県は２０２１年度、市町とともに医療用ウィッグや補正具などを購入する際の補助制度を創設したが、制度があっても相談先が分からずに悩む人は多いという。

　同協会代表理事で、県立西宮病院（西宮市六湛寺町）で院内理容室を営む小谷和也さん（４９）の元には毎月２０～３０人が相談に来る。相談を受け、ウィッグをその人に合った髪形に仕上げられる理美容師は少ないことから、後進の育成も兼ねてセミナーを企画した。

　医療従事者や理美容師、脱毛で悩んでいる人などが対象。１回千円。Ｚｏｏｍ（ズーム）によるオンラインも同時開催する。申し込みが必要。全国病院ヘアサロン協会ＴＥＬ０１２０・７６９・２１４

　日程と内容、講師は以下の通り。時間はいずれも午後６時半～８時半。

　第１回（１０月３１日）＝抗がん剤治療基礎編（県立がんセンター日野千奈美看護部次長、ブレストフォト協会石原明代会長）▽第２回（１１月２８日）＝自治体との協働で未来を創る（県疾病対策課野津章子氏、全国病院ヘアサロン協会小谷和也代表）▽第３回（２０２３年１月２３日）＝医療用ウィッグの秘めたる力（相談からカットまでを動画で紹介、アピアランスケア協会塩井真弓美理事長）