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日本の交通ルールを学ぶウクライナからの避難民=神戸市中央区港島中町2
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日本の交通ルールを学ぶウクライナからの避難民=神戸市中央区港島中町2
信号や標識の意味について警察官が分かりやすく説明した=神戸市中央区港島中町2
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信号や標識の意味について警察官が分かりやすく説明した=神戸市中央区港島中町2

 「自転車は車道の左端を通ってください」。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化している状況を受け、兵庫県内に逃れてきたウクライナの避難民を対象にした交通安全の講習会が、神戸市中央区で開かれた。ウクライナの人々に自転車が寄贈される機会に合わせ、兵庫県警の警察官が日本とウクライナとの交通ルールの違いなどを伝えた。母国へ帰れる日が見えない中、参加者は自転車を使って生活の幅を広げることに期待を抱きつつ理解を深めた。(小谷千穂)

 講習会は、ウクライナ避難民を支援する「日本避難所支援機構」(神戸市長田区)が企画。神戸市などで暮らす2歳~50代の14人が参加した。同機構のメンバーが2014年の丹波豪雨の災害ボランティアに携わった縁で、同県丹波市から避難民に自転車12台が寄贈されることになり、交通ルールを学ぶ場を設けた。

 11月下旬にあった講習会では、県警本部交通企画課の自転車対策担当、浜家和行警部補が通訳を介して交通標識の見方などを説明。事故に遭った場合は必ず110番するよう呼びかけ、「ウクライナ人であることを伝えてくれたら、通訳につなぐので大丈夫」と話した。

 ウクライナは日本と異なり、車は右側通行。神戸市須磨区から参加した女性(43)と息子の高校2年の男性生徒(17)によると、ウクライナに比べて「日本人はみんな交通ルールを守る」と感じているという。2人は「私たちも守りたい」と口をそろえ、「自転車があればスーパーや学校、海にも行ける。仕事も探せる」と期待を寄せた。

 一方で、母国の現状に話題が及ぶと、「家族に会いたいし帰りたいけど、学校も病院も電気もなく、危険で大変」と女性。「今は息子が進学する大学を日本で探すことで精いっぱい」と心配そうな表情を浮かべた。

 県警は交通ルールや防犯のポイントをウクライナ語でまとめ、ホームページでも公開している。

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