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店でコーペイが使えることを知らせるのぼり=神戸市内
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店でコーペイが使えることを知らせるのぼり=神戸市内

 先日、神戸市が発行する「プレミアム付電子商品券 Ko-Pay(コーペイ)」を購入した。スマートフォンでしか使えないが、1セット6500円分が5千円で手に入る。同市が以前、発行した紙の「お買物券」よりお得な額が増え、大手コンビニでも使えるようになった! うれしくて舞い上がっていたのだが、知人に仕組みを説明するうち、疑問が湧いてきた。これって本当に支援が必要な市民や小売店に、どこまで届いてるんだろう? 現状や背景を調べてみた。(新開真理)

 コーペイの対象は同市在住者。専用ホームページで購入を申し込み、後日届いたメールから利用者の情報を登録し、スマホにアプリを入れる。次にクレジットカードかコンビニで代金を支払うと、電子商品券が利用できる。5千円で6500円分を購入でき、1人5セットまで。差額には国からの交付金を活用する。

 筆者が疑問を覚えたのは、過去に購入した「こうべ商店街・小売市場お買物券」に比べ、利用のハードルがぐっと上がったように感じたからだ。

 同市はコロナ禍で落ち込んだ消費の回復を目指し、2020年度以来、同券を3回にわたって発売。5千円で6千円分の券が手に入り、ホームページに加え専用はがきでも申し込みができた。後日、市から購入可能なセット数が通知され、販売所で券の冊子を買い、店のレジで使う-という流れだった。各回、約8万7千人~12万1千人の申し込みがあったという。

 一方、コーペイは約12万9千人から申し込みがあった(受け付けは既に終了)。申込者数の増加について市経済観光局商業流通課は「認知度が上がってきたのでは」とみる。ただ年代別で比べると、電子商品券は70代以上と10代以下が占める割合は計12%。紙では計28%だった。一部の高齢者や子どもにとって、スマホ利用という条件が「壁」になっていることがうかがえる。本紙「イイミミ」には使い勝手の悪さを訴える声が寄せられ、市にも苦情があったという。

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 市は電子商品券を発行した目的を「コロナ禍での原油価格や物価高騰に直面する市内小売店、飲食店などの支援」と「キャッシュレス決済の促進」と説明。「券を持ち歩く必要がなく、1円単位で利用できる。店側には券の集計や回収の手間がなく、データ分析もしやすい」とメリットを挙げる。電子と紙の併用は「事務費が増大かつ煩雑になる」と否定的だ。

 また技術的なサポートが必要な市民に向けて市内19カ所に相談ブースを設置。携帯電話の販売店64カ所でも対応しているという。

 お得お得と喜びまくっていた自分を恥じつつ、誰かを置き去りにせず、効率的な仕組みは本当にないのか-と改めて思う。食品などの値上げは年明けにも予定され、市民生活への支援は今後も欠かせない。何より、事業の原資は私たちの税金だ。あきらめずに考えたい。

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