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阪神・淡路大震災が題材の映画を制作した朝倉有子さん(左)と浜嶋仁美さん=神戸市灘区、大和公園
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阪神・淡路大震災が題材の映画を制作した朝倉有子さん(左)と浜嶋仁美さん=神戸市灘区、大和公園
映画「あの日の公園1995」の一場面。地域活動の現場で、参加者が震災当時について語り合う(浜嶋仁美さん提供)
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映画「あの日の公園1995」の一場面。地域活動の現場で、参加者が震災当時について語り合う(浜嶋仁美さん提供)

 神戸市灘区を練習拠点にするシニア世代の市民劇団「自由演劇倶楽部えん」が、阪神・淡路大震災とその後の暮らしを題材にした25分の短編映画を制作した。家族を亡くした女性2人が28年の時を経て再会し、地域活動に参加したことを機に前を向くストーリーで、1月に上映会を予定。同劇団を主宰し、主演を務めた朝倉有子さん(72)=同市東灘区=は「前向きに歩いていこうとする姿に元気をもらってほしい」と話した。(竜門和諒)

 同劇団は、大和公園(灘区中郷町5)内にある地域の拠点施設「あすパーク」で活動する。2020年に朝倉さんが立ち上げ、現在は市民ら約10人の会員が稽古を続けている。

 映画制作は今年6月、米国ロサンゼルスなどで映像制作を学んだ浜嶋仁美さん(40)=灘区=が偶然、あすパークに立ち寄ったことがきっかけ。朝倉さんと浜嶋さんは意気投合し、すぐに準備を始めた。

 朝倉さんは、震災で築3年目の自宅が全壊した。家族4人は無事だったが、現在も二重ローンを抱えながら暮らす。脚本は、朝倉さんら出演者の実体験も交えて浜嶋さんが書き上げ、4日間かけて撮影を行った。

 タイトルは「あの日の公園1995」。物語は、震災で娘を亡くした朝倉さん演じる主人公の有子が、直前に夫にも先立たれ「ひとりぼっち」とふさぎこむシーンから始まる。震災直後に避難した公園を再び訪れた有子は、同じく両親を亡くしたミカと28年ぶりに再会。ともに地域活動に加わり、生きる力を得てゆく。

 「助かった人が、その後をどう生きたかを知ってもらうことができると思う」と朝倉さん。浜嶋さんは「今でも朝倉さんのように大変な状況の人はいる。震災のことを知ってもらうだけでなく、被災した方にも勇気を与えられれば」と話した。

 上映会は来年1月14日午前11時20分~午後0時半、神戸映画資料館(同市長田区腕塚町5)で。500円。事前予約制。

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