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亡き母と兄を思って目を潤ませた納みよしさん=17日午前6時58分、東遊園地
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亡き母と兄を思って目を潤ませた納みよしさん=17日午前6時58分、東遊園地

 「私は元気だよ」。毎年伝えるためにここへ来る。

 母と兄を亡くした納みよしさん(85)=須磨区=は今年も、中央区・東遊園地で竹灯籠の火を見詰めた。

 28年前、1月17日の地震後、みよしさんは母荒川スミさん=当時(93)、兄信夫さん=同(61)=の様子を見に兵庫区へ行った。住まいの長屋は無傷だった。

 訪ねたのは未明。スミさんは布団から飛び起き「何でこんな時間に来るん、危ないやん」と怒った。いつもは見送りなどしない信夫さんは玄関まで出てきた。「僕らは大丈夫。心配いらん」

 地震から5日後、警察から電話で2人が亡くなったと知らされた。漏電による火災に巻き込まれた。あの大地震で助かったのに。

 「避難所に連れて行けばよかった」。後悔は尽きない。「会いたい。ただそれだけです」。静かに涙を流した。

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