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約90年前に造成されたロックガーデン跡を再生させようと花の苗を植える久山敦さん(手前)ら=神戸市東灘区魚崎北町8
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約90年前に造成されたロックガーデン跡を再生させようと花の苗を植える久山敦さん(手前)ら=神戸市東灘区魚崎北町8

 日本植物分類学の父、牧野富太郎(1862~1957年)をモデルにしたNHKの連続ドラマ「らんまん」が4月から放映されるのを前に、1934(昭和9)年の造成時に、牧野の関わりも考えられる「ロックガーデン」跡が灘中学・高校(神戸市東灘区魚崎北町8)内で見つかった。これを受け、関係者が花の苗を植えて再生に乗り出している。

 ロックガーデンは高山植物を栽培するため大きな岩を配するなどして高山の環境を再現した英国発祥の庭園様式。当時同校の理科教諭だった川崎正悦(まさよし)(1928~59年在任)が専門家の手を借りて整備したが、その後は存在が忘れられていた。

 川崎は牧野と親交が深く、植物採集会や講演会に同行したり、活発に私信を交換したり-。牧野と師弟関係にあった川崎のロックガーデンには牧野の指導を受けた可能性もあり、存在を確かめようとする植物学関係者の間では長く“まぼろし”の存在だった。

 一作年の春、大阪市の「咲くやこの花館」の久山敦名誉館長(75)が講演会でこのことに言及したところ、内容を伝え聞いた同校の海保雅一校長(64)らが校内に保管されていた史料を捜し出し、校舎配置図などで場所を確認。当時の姿を再現しようとロックガーデンの設計者でもある久山さんに再生を依頼した。

 見つかったロックガーデンは正門東の一角に位置し広さは約10メートル四方。小山のような形状をしている。数十個の岩は小豆島産の安山岩で長い年月に並び替えられているが、巧みに組み合わされた構造。史料によると初めはエーデルワイス、チングルマなど127種の高山植物や山野草が岩の間に植えられていた。

 再生に取り組む久山さんらは2月中旬、関係者3人の手で高山植物など約60種類の苗を植え付けた。中にはヒメハマナデシコ、ミヤマヨメナなど、生涯で約1500種の植物を命名した牧野が名付け、学名に「マキノ」の名の入った山野草も含まれている。

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