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創作中の首里城の絵を前に、「色にこだわった」と話す大野俊明さん=京都市左京区
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創作中の首里城の絵を前に、「色にこだわった」と話す大野俊明さん=京都市左京区

 歴史上の人物、日本の古建築、風景画に定評のある京都市の日本画家・大野俊明さん(74)が、沖縄の象徴である首里城の絵を描いている。沖縄県との交流に力を入れる神戸市の「KOBE三宮・ひと街創り協議会」の依頼を受けたもので、4月に同会の久利計一会長(75)の手で沖縄美(ちゅ)ら島財団に贈る。3年半前の火災で正殿をはじめ主な建物が焼失。懸命に復興作業が続く中、大野さんは「地元の人からずっと愛してもらえる絵になれば」と話している。(津谷治英)

 大野さんは1948年京都市東山区生まれ。京都市立芸術大日本画専攻科を修了し、画壇で活躍する傍ら、現在は成安造形大の名誉教授を務める。

 しなやかな線、色の濃淡を生かして日本史や童話の主人公、懐かしい雰囲気の風景を描いてきた。94年には滋賀県近江八幡市の「信長の館」の天守閣内障壁画を復元。2001年には日本経済新聞の連載小説「平家」(池宮彰一郎)の挿絵を担当した。二条城の障壁画模写にも従事し、文化財保護に貢献してきた。

 その画風を知る久利会長から首里城の絵を依頼された。縦90センチ、横168センチの大作。大野さんは過去に何度も現地を訪ね、焼失前の首里城を見てきた。初めて見た時、青い空に映える赤い色が目に飛び込んできた。「本土の神社寺院にはない色で、心に朱色の離宮の姿が浮かんだ。『朱離城』の例えが似合うと思った」と振り返る。

 今回はその印象を随所に生かし色にこだわった。日本画の絵の具の「朱色」に加え、空には「群青」を使用。島の自然の中に生きてきた人の世界を表現した。また琉球文化独特の装飾品も細部まで書き込んだ。

 「描いてみて構造、飾りの美しさをあらためて知った。知れば知るほど深いと思った」と感心する。

 絵画創作を依頼した同協議会は、2009年から神戸市内の児童養護施設の子どもらを沖縄に案内するプロジェクト「KOBE夢・未来号・沖縄」を実施しており、沖縄と本土の架け橋役を務めてきた。4月には感謝の交流会を那覇市で開き、その場で久利会長が首里城を管理する沖縄美ら島財団に贈呈する。

 久利会長は「首里城は日本の宝。その思いを三宮の町衆から伝えたい」と力を込める。首里城は26年までに再建される見通しで、同財団の並里力(りき)事業部長(54)は「神戸の思いを大切にしたい。再建後は多くの人の見える場所に飾りたい」と話していた。

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