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タイトルにも採用した作品「撓」を前に、作品集を手にする小畑延子さん=東京都中央区
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タイトルにも採用した作品「撓」を前に、作品集を手にする小畑延子さん=東京都中央区

 事故で両手を失った書家小畑延子さん(80)=東京都=が作品集「撓(しなう)-SHINAU-」(皓星社)を出版した。初めての作品集からわずか3年。「1作目の完成後、これ以上のものはないと思ったが、その後、脱力感とともに書への執着が湧いた」といい、今回は日常でふと浮かんだ言葉など100点を収めた。出版に合わせ東京のギャラリーで9日まで記念展を開催している。(堀内達成)

 小畑さんは神戸市長田区出身。5歳の時、製材所で機械に挟まれ、両腕の肘から先を切断した。中学生で書に出合い、20代で3回、日本美術展覧会で入選。45歳で結婚したのを機に東京で暮らしている。

 2作目となる作品集は、若い頃から買い集めてきた和紙や唐紙(からかみ)などを使った、2020年春以降の小品ばかりを収録した。

 タイトルにも採用した「撓」は「災難に向かっていかず、しなやかにかわしてきた」という自身の生き方を投影。新型コロナウイルス禍で、人と会い、集うことを願った「千客万来」や、同じマンションに暮らす子どもたちと触れ合うさわやかさを書いた「そよ風の如く」なども載せた。

 小畑さんは「人と環境に恵まれ、割と書には淡々と取り組んできた。しかし今回は、これまでにない熱量を注ぎ込んだ」と話す。

 作品集はB5判、167ページ、5500円。記念展は東京都中央区京橋2、アート・紀元(TEL03・5250・1870)で。午前10時~午後6時。無料。

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