季節を問わずにイチゴを楽しんでもらおうと、六甲アイランドにあるホテルプラザ神戸（神戸市東灘区向洋町中２）は、館内でイチゴの水耕栽培を始めた。都会の人たちにも手軽にイチゴ狩りを体験してもらうため、ホテルのスタッフが発案。宿泊客以外でも立ち寄ることができ、斬新なイチゴ狩りが好評という。（安福直剛）

　イチゴは暑さに弱く、夏から秋にかけては実らないため、通年で収穫できる仕組みを考えた。ハウス農業の自動化を手がける「悠々システム」（兵庫県宝塚市）のアドバイスを受けて実現し、３月下旬から始めた。

　ホテルの一部を改修し、約１８５平方メートルの部屋で千株のイチゴを育てている。「紅ほっぺ」や「さがほのか」のほか、ホワイトイチゴとして知られる「天使のいちご」など計１３種類が並ぶ。室内でこれほど大規模に育てるのは、業界初の取り組みという。

　通年で楽しめる点やアクセスの良さのほか、農薬を使わず虫がいないことも売りとして掲げる。将来的には、ホテル内のカフェで提供するケーキのイチゴも“自前”で収穫し、「究極の地産地消を目指したい」としている。

　同ホテル料飲部支配人の町田浩志さんは「農業経験がない自分にできるか不安だったが、だいぶ慣れてきた。都会で気軽にイチゴ狩りができる場所は少ないので、地元の人にも立ち寄ってほしい」と話している。

　午前１１時から３０分間（１日１５人限定）。大人３５００円、小学生以下３千円。持ち帰りは不可。ＴＥＬ０５０・３１３４・５４０９