神戸新聞で連載した「かなしきデブ猫ちゃん」（文・早見和真、絵・かのうかりん）の主人公「マル」のイラストが掲載された牛乳の提供が、兵庫県内１５市町の公立小中学校の給食で始まった。１日約１７万本が１年間提供される。

　「物語の力で地域を変えたい」というデブ猫ちゃんの取り組みの趣旨に賛同した共進牧場（神戸市中央区）が開発に協力した。「共進３・５牛乳」の給食用ミニパック（２００ミリリットル入り）で、牧場に立って牛乳を飲むマルの姿を、かのうさんが新たに描き下ろし、早見さんが「本を読む人生もおもしろいゾ！」とのメッセージを添えた。

　灘の浜小学校（山川寿夫校長）でも１９日、全校児童４９３人にマル牛乳が提供され、「前よりも牛乳を飲めるようになった」「マルの絵がかわいい」などの声が上がった。

　同小ではこの日、第１シリーズで人気を集めた神戸栄光教会編や赤穂ニャン士編、震災特別編「祈りの朝」の読み聞かせやマルとの記念撮影会もあった。

　４年の男子児童（９）は「マルが想像以上に大きくびっくりした。マルの冒険の第２幕が始まるので応援したい」と笑顔だった。（藤原　学）